三原氏物語

賢くて可愛くて、誰もが憧れる無敵の障害者を目指すアラサーの闘病記

健常者装うのも、もう無理があるわ。

能力的に無理なんだよ。

雑談

なんでそんな簡単な事が出来ないんですか?

今のバイトを始めて、もう7ヶ月に差し掛かろうとしている。 流石にもう新人気分じゃないし、一応客に迷惑がかかるようなミスは減った。

さて、7ヶ月。 そりゃあもう、それなりの戦力になってもらわないと困る。 雇う側も困るし、アタイだって困る。

仕事は順調、俺が出勤すれば売り上げ向上、元気で愛想の良い店員がいるからまたこの店に来たい!

そんな風なポジションになりたかった。

でもな、どうしても出来ない仕事がある。

ああ、ベーカリーの配置だ。 パンを置くには、すのこを扱う。それが、どのパンにはこの すのこ、こっちの菓子パンにはカゴを使うよ。とか、決まりがあるんですわ。

特にマニュアルは無い。

最低限のヒントとして、一応グループラインには写真が掲載されていて、それ通りにやれば済むというだけの話なんだ。

普通の人ならば、まぁ30分あれば終わる。

だけどアタイは・・・・80分かかっても終わらない。

他の仕事はなんとか時間内に終わる。 これだけは・・・出来ない。

何回画像と現物を見返しても、分からないのだ。理解が出来ないってのともちょっと違う。 脳が完全に停止してしまうんだよ。

変な冷や汗ばかり出てしまい、

広い売り場から適切なすのこを選んで配置し、最後に商品名と値段の書いてあるタグをかごやすのこに配置する。

それだけの事が出来ない。

そうだな、初見で百人一首に挑戦しているようなもんだ。 マジで周りは理解出来ているのに、こっちはどの札を取ればいいのか、なんでそれを取っていいのか考えても分からない状況に似ていると思う。

もう半年以上やっているんだから、貴方もベテランの一人なのよ。

この仕事をこなせないと次に進めないから。

同期で入って、出来ないのは貴方だけ。

って事で、昨日の閉店作業は皆が50分くらいで他の作業を終わらせ、帰る準備をしているのに、

三原が一人で配置をこなし、完璧に合っていると認められるまで皆を待たせる事になった。 タイムカードは全員23時に切られたのに、アタイ一人だけが頭脳が停止しながら必死でスマホと比較しながら、一秒でも早く終わらせるようにと発破をかけられる。

やっと終わったのが23時20分台。

なんで出来ないの??

ってそりゃ当然怒られるし、皆を給料も出ないのに待たせている罪悪感、一人でやらせるのが目的なので誰も手伝ってくれない絶望感。

アタイのメンタルは限界を迎えていた。

どうすれば良いのだろうか? 出勤前に「今日の三原さんの締め作業はこれね」と聞いた瞬間から、スマホで配置を覚えていたつもりなのに。

どうして現実と一致出来ないのか、理由が説明出来ない。

ちんたらやっているつもりはない。一生懸命やってこれなんだよ。

しかも新商品が出たり、既存の商品が無くなったりすれば、また配置は変わる。

え? これ、一生俺出来なくね??

どういうわけか高学歴ばかり雇うこのバイト、運良く自分が雇ってもらえたからには一生懸命やっているつもりでいた。

やっぱり低学歴は使えないわ。

そう認識されてもいいが、これは学歴どうこうの問題じゃない。

仕事を止めようかどうかと、悩んだ。 相当悩んだ。

前にも話した通り、アタイは職業適性検査の「形態」というカテゴリーが著しく数値が低い。

いや、努力で克服出来るならば、幾らだって頑張るさ。 そうじゃねぇんだよ、不可能を可能にさせろ

と命令されているんだよ。

悩んだ。相当悩んだ。

いっそ死んだ方が楽だとさえ思った。

帰りの終電は、何故かいつもより長く感じられたな。

最寄駅の改札を抜けて、出口と国道1号線のすぐ近くにはポストがあり、その近くにはいつも綺麗な花束が置かれている。

恐らく誰かが事故って亡くなったんだと思う。 いつからあったのか知らないが、気づいたらずっとある。

絶対にここに置いてある花は枯れていない。

場所的にはガードレールがしっかりと整備されていて、車が誤操作で突っ込んできても大丈夫そうなのに、何故ここで命を落としたのだろうか。

持病が克服出来なくて嘆いているクズが死にたがっているのに、その一方で知らぬ誰かが死んで、関係者が未だに新しい花を持ってくるという相対関係。

別にこの人の分まで俺が生きよう!とは思わないが、なんとなく腹が減っていたので近くの牛丼屋でネギ塩豚丼を頼んでみた。

深夜でも営業しているのは凄く有り難かったが、本来かなり塩気があるくらいの味付けをしているはずの出された料理はどう頑張って咀嚼しても味があまり分からなかった。

帰宅して、今後についてどうしようかと悩んで椅子に座っていたら2時間が経過していた。

何もする気が起きず、本当に座っているだけ。 だんだんと両腕の肘から先の感覚が無くなっていく。思うように手が動かせず、しかも地味に痺れていて痛い。

試しにつねってみても、そういう痛みは感じないんだよね。

生きているのに、リアルに腕が腐っていくような感覚なんだが、多分誰も理解できないだろう。

薬なんか律儀に飲んでいても、ちょっとしたストレスで具合は一気に悪くなる。

とりあえず寝て、目覚めたのが14時。 やはり何もする気は起きないが、習慣なのでまずはコーヒーを淹れる。 何も考えないでドリップスケールの数値が示す通りにお湯を注いだだけの、その黒い液体はやはり味がしなかった。

それからも部屋で色んな本を読みかじったりしてみたものの、どうもスッキリしない。

風呂に入ったら少しスッキリしたので、 もう簿記の試験なんかどうでも良いから、今後バイトをどうしていくかを考える事にした。

優先順位で行くと ・何が何でも月曜から水曜までのどこかに、診察を入れる

のは必須で、 バイトでの改善策としては ・閉店作業の時間を避けてシフトを入れる ・病気が理由でこの業務は出来ない と告白する

しか無いと考えた。

アタイが医者に行くのは自分の判断で勝手なのだが、 バイトを雇う企業側としては、こんなポンコツを置いておくくらいならば、さっさとまともな人間を探した方が良いに決まっている。

第一出来ないならウチでやっていくのは無理。って理由で解雇されるだろう。

前のドトールでは手が震えて、コーヒーが提供出来なくなって辞めた。

今度は頭が悪くて仕事が出来なくて辞めます。

ってそんな情けないもんでいいのか?

もっと言えば、自分にそもそも飲食をやっていく能力が無いのではないかと、認めざるを得ない。

皆で楽しく、一体となって店を盛り上げていこう!٩( ᐛ )و

みたいなノリは、もう無理かもしれない。 チーム不適合者的な感じすら覚える。

どうすればいいんだ。

悩んで、ストレスを抱え、味がわからなくなり、幻聴が聞こえてくる。

不安から逃げるために、カフェインとニコチンが加速する。

何もかもがどうでも良くなるし、大学もバイトも将来も資格も、熱意が冷める。

怒られたくらいでクヨクヨするなよ ってツッコミが入るかもしれないが、自分のいい事は褒めずにパクる上司に、ダメ出しばかりされていたらモチベーションなんかあったもんじゃない。

最近の若い奴は、ちょっと怒っただけですぐに辞める って言われたって、仕方ねぇだろ。 乗り越えられない困難だってあるんだよ。だから社会的にも精神障害者ってアタイにはラベルが貼られているんじゃないか。

だったらインフルエンザにかかった状態でフルマラソンしてみろっつーんだ。そのくらい辛いわ。

まさかバイト先のスタッフがヘルプマークなんか付けて接客しようものならば、どんなに美味い商品を提供しようが店の印象は悪くなる。

絶対に会社の株は暴落するし、人事部やら本部は実は障害者が現場で働いていた!って大慌てになるだろう。

病院に行くために金を稼ぎ、薬を受け取ってバイトに向かって具合が悪くなって帰ってくる。それでまた病院に通う という負の連鎖。

並みの人間だって、1ヶ月で消えたりもするのに、こんな奴が半年もやってきた方が異常だとすら感じる。

相談にはよく乗るが、アタイが困った時には誰も助けてくれないのは、もうそういう星の下に生まれたんだと割り切るしかないよな。

大概の事はコーヒーを飲めば解決すると思ったが、どうもそうではないんだと思い始めた。

じゃ、今回はこの辺で。