三原氏物語

賢くて可愛くて、誰もが憧れる無敵の障害者を目指すアラサーの闘病記

『統合失調症』を読んで。

原因不明のポピュラーな病気。

読書感想文

統合失調症。 という本を読んだんですね。どういう病気なのか、もう少し理解を深めたくて書店で平積みされていたのを手にとったわけです。

ところがどうでしょう、全くどうでもいい主張と少しいい加減な記述が目立ちました。

何よりも読んでいてショックだったのは、我らが統合失調症のヒーロー ゲーム理論のパイオニアでもある天才数学者ジョン・ナッシュの話。

普通この病気は思考が鈍るのに、どうしてそんなに高度な数学を展開出来たのか?との答えに、実はノーベル賞につながる研究は既に統失になる前からベースが出来ていたから成し得たみたいなのよ。

なんだよ、結局発病したらもうオジャンじゃないかと。 アタイみたいに何の取り柄もないまま統失を患ったら、もうこれから先の展望無くないですか。

一部の発達障害でも社会で活躍しているような、そういうギフテッドは統失にはないのか? 欠落した脳のバグをフォローする何か他人とは違う秀でた能力や才能は開花しないのかよ?

頑張っても人並みになれるかどうかなのに、更に頑張らないとそういった成功にはアプローチ出来なさそうな感じしかしないわ。

あと書いてある事は、ほとんどデイケアとか診察で散々聞かされてきたような内容ばかりですね。

どうして統失になるのか、原因は不明。 20歳前後で発病しやすい。 しっかりと薬を飲むのが最前。

と。

で、この向精神薬の歴史の変遷とかも書いてあるけれど、そんなのはどうでもいいんだよ。 肝心なのは何が自分に最適で、どうすりゃ副作用が克服出来るんだって話だ。やっぱり薬を飲むとドーパミンが制限されるせいか眠くなる事実は間逃れない。体重が増える人もいる。

ちなみにアタイが良くブログで硬直していたと書いているこの症状は、緊張病症状(カタレプシー)と呼ばれていて、めちゃくちゃ活動するときと極端に動けなくなるという相反性がある症状 なのですが、そんな事は分かりきっているわ。

アタイの周りの何人かの統合失調症の仲間と話していても、「硬直はしないなぁ」 という話は結構聞いていて不思議に感じていたんだけれど、やっぱりこの症状は稀なケースらしいです。

動けない間ってのは、実に生きている時間を無駄にしている感覚があって嫌いなんだけれど、やっぱりどうしてそうなるのか、或いは防ぐ方法も解明出来ていない。

謎だらけの病気なんですね。めんどくせぇ。

後はずっと悩みであった、手の震えというのがアタイにはありましてさ。 このせいで喫茶業のバイトがしたいのに、職場を転々としているという悩みがある。

どうも薬の副作用でドーパミンが減少していて思考が鈍っている上に、震えが生じるようでして。薬剤性パーキンソン症候群と、名付けられているものの、これも結局「まぁなってもしょうがないよね」で片付けるしかなさそうです。泣いていい?

あとは健康意識が低い事が発病と相関性があり、しかも気力が低下するからまた栄養が偏ったりして余計に具合が悪くなるというスパイラルが生じているのが問題だと。 そういう理由もあったりして、残念ながら統失患者の平均寿命は自殺という要因が余計にあるせいで、平均寿命は一般人よりも些か短いんだそうで。

つーかこんな病気患っていて、ポジティブに「私、健康でずっと長生きしたい!!」なんて思えるのか?滅多にいないだろうよ。

結局病気の予防、改善には誰でも言えるような適切な食事と適度な運動で健康に気遣う事だそうで。そりゃそうだろ。 但し、健康である事は不健康な生活をおくるよりも遥かに金がかかる事も理解しておかなきゃいけないし、残念ながら統失で金持ちとかほとんど聞いたことないから、そんないきなり「じゃ、今日から健康に気遣います。ジャンクフード食べません、体に良いものしか食べません」ってすぐには出来ない問題があるわよね。

あと面白いなぁと思ったのは、詐病との見分け方とか、実は妄想って定義が出来ていないんだぜ的なパラドックスの話とかだな。

まとめると、統失患者が読んでも「そこそこ当たる性格診断書」的な効能しか無くて、この病気なんなん?ってのを知る入門としてはまぁ有益、身近な人が統失になった場合にどう接すればいいかとか治療の最適な方法を探るには不十分 ってところかしら。

それにしてもタイトルからして統失って書いてあるのに、統失以外の話の方が面白いという変な本でした。